陸軍射撃場跡地
陸上射撃場跡地
明治時代に造られた独特の高い土塁で三方を囲み、最大距離600メートルの射撃で、主として小銃の基本射撃訓練に使用された。土塁と赤土の露出した土地は戦後の開拓にも適さなくて、そのまま放置されていた。戦後、警察予備隊の創設に伴い、拳銃射撃場に利用され、その後の保安隊になってからも小銃射撃場として使用された。自衛隊になってからは、大砲を主とする特科となったために利用されず、財務省の管理下に移管されたままになっている。
それから約半世紀、その跡地は清水が滲みだす湿地となり、約9万平方メートルの広大な敷地には自然が甦り、希少な絶滅品種の植物や昆虫の生息地として、認識されており、環境省及び栃木県により、特別指定の湿地帯に指定されている。また、射撃場跡地は戦期の歴史的遺産として、文化財保護の立場からも重要な位置づけがなされている。
地域では、このような貴重な自然環境と歴史的文化遺産を有するスペースを自然観察や植物・昆虫の保全育成、地域住民の憩いの場などを目的とした自然公園的な環境づくりを目指しているところである。